真田丸　もっと知りたい　真田太平記３　どうする、徳川と北条が手を組んだ

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2016/07/08 2016/08/28

もっと真田丸、真田太平記　③

信長亡き後の混沌の渦に真田家も放り込まれるわけですが、丹波・昌幸の元に北信濃に動く気配の上杉、沼田に向かいつつある北条の動きが逐次もたらされます。沼田への援軍が期待出来ないことを把握している矢沢叔父は少数で奮闘、沼田を守り抜いています。

しかし昌幸は真田が生き残るために徳川へ臣従することを決意。徳川に臣従した昌幸にもたらされた、北条と徳川が手を結んだという報せに…。

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「沼田を北条へ引き渡せ」という北条方の使者を「家康からの申し渡しがない」などとのらりくらりとはぐらかす昌幸。後日家康より「甲斐の箕輪を替え地とする」旨の書状が届きますが、しばらく北条と徳川の間を泳いでみる構えです。「しかし上田に城が欲しいものよのう」。

そんな真田家に風雲急を告げる「上杉が虚空蔵山へ」の報せ。きな臭くさくなる中、草刈・信繁が初陣を願うものの、嫡男・信幸ですらまだであるとダメを出されます。しかし草刈・信繁は佐平次と共に、無断で対上杉戦に参加、中々の戦ぶりですが、無断参加を察していた又五郎の差配で忍びたちがフォローに入っていたのでした。

ep0303
画像参照：土曜日の美女たち

戦からの帰途、草刈・信繁と佐平次の会話が秀逸です。「兄・信幸はいずれ真田の跡を引き継ぐお方。戦で命を落とすなど、あってはならないことだ。だから戦に参加して戦うのは自分で良い、私は兄のために捨て石となる覚悟だ」黙って耳を傾ける佐平次に笑いかけ、「そちも私の戦に付いて来ねばならぬのう」。

畏まる佐平次の目を見つめて「俺とお前は、いつの日にか共に死ぬるような気がしてきたぞ」。美しい夕焼けの中に佇む2人のシルエット。

信繁（草刈正雄）
画像参照：土曜日の美女たち

勝手に初陣を果たした件は三十郎のフォローで収まりますが、腹の虫が納まらないのは角兵衛。源三郎・信幸に「源三郎様もまだなのに功を急いだ」など非難しまくりますが、諫める渡瀬・信幸。そこへ当の草刈・信繁が謝りにやってきます。

「これから先、真田の家を私一人で背負えと言うのか！」と激怒する信幸。しかし破顔して「して、どうであった」と興味津々で尋ねます。笑顔を返す信繁、内緒ですがと前置きしながら「城に戻ってから気付いたのですが、小便を漏らしておりました」大笑いする兄弟。

兄・信幸と弟・信繁の信頼関係がとてもよく分かるシーンです。佐平次との会話では信繁の思いが、上記のシーンではそんな信繁の心を理解している信幸の姿が描かれています。三十郎も信幸の了解を確認してからフォローしており、この辺りの描き方は見事であり、見応えがあります。

戦ばかりが進行しているわけではなく、渡瀬・信幸も角兵衛、佐平次もそれぞれ淡い恋らしきものに囚われています。何よりも昌幸の愛妾・お徳が子供ができたことを告げるシーンでの昌幸、ちょっと武士の風上にも置けない狼狽えよう。

終いには「生むなら女子を産め」との無茶振りに、うっすらと涙ぐんだお徳は「嘘でございます」と言ってしまいます。いくら正室の山手殿が怖いからって、信幸・信繁兄弟すら「妹か弟ができるのか！」と喜んでいるのに、見損なった！な真田安房守昌幸（苦笑）。

今回は見逃してはいけない必見回、といっても見逃すのが惜しい位に面白い「真田太平記」。映像は古いものの大国の狭間で翻弄される真田家、忍びたちがもたらす大国の動き、迫力ある戦闘シーン、親子や兄弟、夫婦間の感情の動きなど、必要なものが多くも少なくもなくきっちりと描かれています。そして見る度に、次が見たくなってしまうのですよ。

土曜日の美女たち