真田丸 利休切腹までの前半を振り返る
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2016/07/05
真田丸振り返り、利休切腹まで ①
NHK大河ドラマ「真田丸」も前半戦を折り返し、利休切腹後の暗くて陰鬱な大坂編に本格的に突入していきます。毎週楽しみに見続けてきた真田丸、この辺りでちょっと振り返ってみたいと思います。せっかく「振り返り」というテーマを掲げているので、これまでのところを思い返してみました。
真田信繁は大坂でどれだけ活躍するのか

真田家の中では父・昌幸も兄・信幸も概ねその足跡をたどることが出来ます。武田家滅亡後は主家を変えつつ生き残り、関ヶ原で兄弟が袂を分かち、昌幸・信繁は西軍へ与して戦後は九度山蟄居、徳川方の信幸が真田家を引き継いでいきます。
全部が全部史実かは不明ですが、真田を快くは思っていない徳川秀忠による陰に陽にの物言いをはねのけ、信幸が真田の家を守り抜いていきます。
ただ一人、どこで何をしていたのか不明なのが真田信繁で、上杉人質そして豊臣人質、そして九度山蟄居後の大坂城入場からが、明確に分かっている信繁の足跡です。
上杉景勝や豊臣秀吉に可愛がられたのは概ね確かなことのようですが、秀吉の側近くで大活躍したという形跡はなく、従って大坂編の信繁の活躍は全て創作であり、創作だからこそ脚本家の腕の見せどころでもあるのでしょう。
大坂編の最大のポイントは、真田昌幸と信繁親子が関ヶ原で西軍に与することを選択するに至る理由付け。「どちらが勝っても負けても、真田家が存続出来るように」家を割ったというのが通説で、同じように親子が分かれた家は他にもいくつかありました。また○軍に味方したいのに反対勢力の妨害などでやむなく敵方に与したということもあったようです。

大坂編が重要なのはそこをどれだけ描き切れるかで、家の存亡を賭けた選択に説得力を持たせられるかが決定的になるからです。信繁の場合は後に大坂城にまで入っており、人生で最大の輝きと命の終焉が同時に訪れますが、その動機も大坂編にかかっています。
現在までのところ茶々様による意味ありげな呪いが描かれていますが、これがそのまま動機になるはずもなく、だからこそ人々の想像力を刺激してきたのでしょう。
その人間ドラマを楽しみにしていた大坂編ですが、描かれているのは信繁の無理矢理な活躍ばかり。活躍と言っても「史実に影響を与えるような活躍ではないから良いのでは?」という意見もあるでしょう。
ならば信繁の内面にこれからの道筋への手助けとなるような関わらせ方かと言えばそうでもなく、こんな信繁の描き方なら大坂編そのものが必要なかったのではないかと感じています。
「真田丸は分かっている史実はそのままに、不明なところは創作で描きます」
これが「真田丸」の当初のスタンダードであったと思いますが、大坂編が始まって利休切腹まで描かれた今、そうではないことが明らか。明らかに関わっていないであろう秀吉と家康の謁見前夜シーン、恐らくはなかった江雪斎との裁判劇、北条家への使者、そもそもの秀吉の近習役。
これらのシーンによって信繁の内面や人格が描かれているのならまだしも、後の大坂の陣を彷彿とさせるような信繁が描かれるのならまだしも、そういうものは何一つ感じられません。
流れから見ると、石田三成や大谷刑部との関係から西軍となり大坂の陣なのかもしれません。この辺りは先を見なければ分かりませんが、それならこの2人との関係をじっくり描いて欲しいと感じますし、信繁を無理矢理に活躍させるまでもないことです。大坂で色々動かされている割にその関係の深化は余り感じず、違和感ばかりが募ってきます。
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