NHK大河ドラマ 真田丸 「第一話 船出」 の感想
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真田丸振り返り、第1回 船出
今年1月から始まったNHK大河ドラマ「真田丸」、皆様ご覧になっていますか?
「真田丸」は武田家に臣従した真田一族、真田昌幸を筆頭に信幸・信繁とその家族を中心とした家族の物語。武田家滅亡後は徳川、豊臣という大名たちの国盗り合戦に揉まれながら、地方の国衆であった真田一族が知略武勇の限りを尽くして生き残りをかけた闘いに挑むサバイバル物語でもあります。
前哨戦では武田家滅亡から、第1次上田合戦で徳川勢を翻弄するまでが描かれましたが、ここからは舞台が大阪へと変わり、登場人物も一気にメジャー化していきます。
大都会大阪へと舞台を変えて主人公である真田信繁を取り巻く世界が変わってしまう前に、もう一度ここまでの「真田丸」を振り返っておきたいと思います。
第1回 船出 ざっくり背景

時は天正10年、物語は武田家滅亡から描かれます。
長篠合戦で信玄公時代からの有力な武将を失った武田勝頼は、織田・徳川連合軍による侵攻に押されつつ徐々に追い詰められていきます。
謀略も活発化、身内である穴山梅雪や木曽義昌の寝返りや離反が相次ぎ、岩殿城への撤退を勧める小山田信茂による織田方への寝返りに至って、万策尽きた武田勝頼は天目山で自害、ここに武田家は滅亡を迎えることになります。
テンプレート通りではない武田勝頼

これまで武田勝頼と言えば、偉大な武田信玄公の力量や知略武勇を備えない愚かな2代目という描かれ方が多かったと思います。
見ている側も同様で、「父親の代からの叩き上げである重臣たちの進言にも耳を貸さない暗愚な若殿」がいつの間にかテンプレート化していたところ、「真田丸」の武田勝頼はそのテンプレートを大きく壊してくれました。
そう言えば脚本の三谷幸喜氏は、「偉大な父親を持つ2代目の悲劇」「勝者ではなく、敗者にも光を当てて描きたい」と語っていた記憶がありますが、まさにその通りの美しくて切ない、けれども凜として自らの運命を受け入れる勝頼の姿が現れていたと思います。
初回のこの絵を見て、「真田丸」のこれからに期待を寄せた人も多かったのではないでしょうか。
寄るべき港がなくなって、大海に打って出る真田丸

さて真田家の方は、真田昌幸が武田勝頼に自らの治める岩櫃城への撤退を受け入れられたことから、迎える準備のために城へ先行します。
しかし勝頼は土壇場になって岩櫃城ではなく、小山田信茂の勧める岩殿城へ向かうことを決断、真田の人質を解放し、兵まで付けてくれます。
兵は信繁の兄である信幸がお返しするのですが、返す返すも何故小山田信茂案を選んでしまったのか。
この時、昌幸案に乗っていたら、武田家の滅亡は避けられたかもしれないのに…と、歴史にifはないんですよね。
また昌幸も本当に勝頼を助けようと考えていたのか、裏で北条方と通じていたので裏切るつもりだったとか、色々言われてはいます。
ただ前哨戦を通して見た限りでは、真田昌幸が主君として心から認めていたのは武田信玄公ただ一人。
その信玄公の子息である勝頼を、裏切って北条方へ引き渡すとは正直考えにくいというのが個人的な印象です。
岩櫃城から上杉領までなら抜けられることもあり、籠城しながらも情勢を伺って、いざとなったら上杉領へと逃がすことも考えていたのではないかと思います。
大河ドラマ「真田丸」の地 「勝頼様は来てくれなかったけど」の岩櫃
岩櫃 これを見ると、真田=山の民という印象がかなり強くインプットされます。
修験道にも使われていたようですね。
不吉な浅間山の噴火

この時の勝頼の方向転換については、浅間山に近い岩櫃城を避けたのではないかとの説もあります。
また浅間山の噴火が「天が武田を見放した」との動揺を誘ったとの話もあります。
天変地異と異変が結びつくと不吉な感じがしますが、武田家の行く末と重ね合わせると「世迷い言」と簡単に切って捨てることが出来ないものがありますね。
さて真田信幸や信繁主従は、父の待つ岩櫃城を目指していくことになります。
敵兵や野盗がそこかしこに潜んでいるかもしれない中、彼らの乗る船も静かに荒海に漕ぎ出されました。
NHK大河ドラマ「真田丸」公式ホームページ
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