真田丸 第11話 信繁と梅の祝言で室賀を討つ真田
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2016/04/26
真田丸振り返り、第11回 祝言
前話のラストで梅の懐妊と信繁のプロポーズという明るい話題、沼田を明け渡さない真田に昌幸暗殺を企てる徳川という暗黒面話題が示唆されていました。
信繁にとっていくら梅がかけがえのないひとであっても、身分の差まで埋めることは出来ず、側室扱いとなります。
婚礼などもっての外でもあるのですが、徳川と室賀殿の真意を確かめるために急遽婚礼の席が設けられることに。
薫母の真っ直ぐなひと言

昌幸やおばばさまなど梅との結婚を祝福してくれるのですが、薫母だけは頑として許してくれません。
身分が違いすぎるというのが理由ですが、信繁は策を用いてこの局面を打開しようと諮ります。
がその策というのがアロマを使って薫母の気分をほぐし、結婚の許可を取り付けてしまおう というもの。
正直いらない場面だった気もしますが、策に溺れて正道を見失う信繁を現すためには必要だったのかも。
この稚拙な策はすぐにバレるのですが、この時の薫母の言葉が本質を突いた素晴らしいものでした。
「好きな女子が出来たのですと、何故素直に言えないのです!」
これは頭をガツンとやられた位の衝撃だったと思うのですが、策だ根回しだと手管を弄する前に正々堂々と誠意をもってぶつかれば良いことなのではないですか?という、真田家を代表する男たちへの強烈なカウンターのようにも感じられました。
もちろん現実は乱世の世、正々堂々ばかりでは生き残っていくことは難しい。
けれども大切な人との結婚というピュアな想いを遂げるのに、堂々と想いをぶつけるのではなく策を弄そうと考える不誠実、これが一際目立つ場面でした。恐るべし、母親の目。
信幸対室賀殿、真っ直ぐ対決

その頃、昌幸の元へ届けられた室賀殿と徳川の密会の報せ。
徳川の資金で建築中の上田城のお披露目時に、昌幸は室賀殿の真意を探ろうとします。
話を急に振られた信幸のリアクションが面白く、「室賀殿は最近、肌つやがよろしくて」から何とか「浜松にはよく行かれるのか」に落ち着いた時には、こちらも冷や汗が。緊張の場面の中にも、肌つや → 鰻 → 浜松と繋げる話の面白さが、この真田丸の人気のひとつだと思います。
今までの室賀殿は、若造の信幸が口を出そうものなら「黙れ、小童!」だったのですが、この時の返しは「小童」なし、「浜松になど、ここ数年行ったこともないわ」でした。
室賀殿の嘘が、家康との謀議を確信させた瞬間でした。
婚礼を利用して、室賀殿を討つ

昌幸は一旦は無しと決めた信繁の婚礼を利用して、室賀殿を呼び寄せることにします。
祝言の席を抜け出して、囲碁を打つ2人。
祝言の賑わいとは真逆の静けさと、蝋燭の灯が作る光と影、碁盤から目を離さずに昌幸の口から漏れる言葉。
「偎の家来になれ、さすれば許す」「お主の家来にはならぬ」
碁盤に置かれた短刀と、足元に隠していた刃物を振りかざす室賀殿、微動だにせず碁盤を見つめる昌幸。
張り詰めた空気に息が詰まる、緊張のシーンでした。
策は人の為に使うもの、目的には非ず

この現場に居合わせたのが感傷に浸るきりで、彼女は信繁を連れて来ます。
現場を見て、一目で全てを察した信繁。
「そんなのでいいの?!」と怒り泣くきり。
全てが終わった後、信繁は信幸に「梅の気持ちを思うよりも、父の策が見抜けなかったことが悔しかった。
梅のために泣いてくれたのは別の人だった。こんな自分が恐ろしい」
そう語って泣く信繁に、「悩め、それでも前を向いて行くしかないのだ」と応えてやるしかない信幸。
ここまで見てくる中で、正直「きり」という存在に神経を逆撫でされたこともあったのですが、今回の「祝言」を見る内に、何だかストンと腑に落ちてしまったんですよね。
「現代視点で、問題提起する役割」と言われることもあるようですが、そうは思えない。
堺さんがインタビューで語っていた通り、「きりは物語を引っかき回したり、引っ張っていく役割」なんだと感じます。
時には信繁に「それでいいのか」と問い詰めることもあるでしょうし、立ち止まって振り返るきっかけとなることもあるかもしれません。
今回で言えば、大切な人との祝言を策として利用し、血で汚したことに「それでいいのか」と問うこと。
薫母の言葉も併せて、このことが信繁の人格形成にどんな影響を与えて、信繁はどんな答えを見つけて行くのでしょうか。
NHK大河ドラマ「真田丸」公式ホームページ
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